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大野城市

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令和6年度施政方針

更新日:2024年2月26日

市議会3月定例会(令和6年2月26日)において、井本市長が令和6年度の施政方針を発表しました。

井本市長 令和6年度施政方針

 施政方針とは、市長が新年度の市政運営の基本姿勢および重点施策などについて、考え方を述べるものです。

1.はじめに

 はじめに、1月1日に発生しました「令和6年能登半島地震」によりお亡くなりになられました方々とご遺族の皆様に対しまして、謹んで哀悼の意を表します。また、被害に遭われた皆様に心からお見舞いを申しあげます。
避難所生活の中で、先の見えない不安な日々を送られている方々に想いを寄せ、一日でも早く日常生活を取り戻せるよう、復旧・復興のため、大野城市としてできる限りの支援を続けてまいります。

 世界では、本年、アメリカやロシアの大統領選挙など、世界各国でリーダーや議会の構成を決める選挙が予定され、これらは世界情勢にも大きな影響を与えるだけでなく、経済や金融市場に与える影響も懸念されております。
 また、今なお続くロシアによるウクライナ侵攻は、世界の分断だけではなく、原油や穀物の価格高騰など、世界経済に深刻な影響を及ぼしております。
国内に目を向けますと、昨年5月に、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行したことに伴い、社会経済活動が活発になり、個人消費とインバウンド需要が回復するなど、かつてのにぎわいが取り戻されつつあります。
 一方、日本の総人口は、平成21(2009)年から14年連続で減少し、調査開始以来、初めて全都道府県で人口が減少しております。
 国は、「我が国の持てる力を総動員し、少子化対策と経済成長の実現に不退転の決意で臨む」と表明し、昨年4月のこども家庭庁の新設や「こども未来戦略」の策定など、少子化対策やこども政策を抜本的に強化するとしております。
 このように国では、少子化や人口減少、国内外の激しい変化に対応するため、新しいパラダイムに向けた取組を進めており、地方自治体は、多様なニーズへの柔軟な対応とスピードが求められております。
 本市では、こうした背景を踏まえ、ライフステージごとの現状と課題を分析し、多様なニーズを丁寧に受け止め、市民一人一人がそれぞれのライフステージにおいて活躍できる社会の実現に向けて、令和6年度から令和10年度までの5年間を計画期間とする「第6次大野城市総合計画後期基本計画」の策定に取り組んでまいりました。
 令和6年度はこの後期基本計画のスタートの年であります。計画に掲げた施策を確実に実行し、直面する課題に積極果敢に取り組んでまいります。

2.市政運営の基本方針

それでは、今議会に提案しております新年度予算案について、その基本方針と事業の概要を後期基本計画に定めたライフステージごとの視点から述べさせていただきます。

(1)乳幼児期の取組

 まず、乳幼児期の取組についてであります。
 妊娠期から出産、子育て期にかけて、切れ目のない支援を実施するため、令和6年4月1日から「こども家庭センター」を開設し、全ての妊産婦、子育て世帯、こどもに対する母子保健と、児童福祉の一体的な支援体制を強化してまいります。
 次に、産後の初期段階における支援として、産後2週間、産後1か月など出産後間もない時期の産婦に対する健康診査費用の助成を開始いたします。
 また、乳幼児に対しては、疾病の早期発見や早期治療を促進するとともに、出産後から就学前までの切れ目のない健康診査実施体制を整備するため、「1か月児健康診査」、及び「5歳児健康診査」の実施に向けた準備や調査を進めてまいります。
 市立保育所においては、保護者の持ち帰りとしている使用済みおむつについて、保護者や保育士の負担を軽減し、保育の質をより高めるため、保育所での処分を開始いたします。
 なお、国では、「こども未来戦略」に基づき、令和6年10月分の児童手当から所得制限の撤廃や高校生年代までの支給期間延長、多子加算について第3子以降の支給額を3万円とする拡充を図ります。本市においても、令和6年12月の支給開始に向けた準備を進めてまいります。

(2)児童少年期の取組

 次に、児童少年期の取組について申しあげます。
 不登校児童生徒に対する支援は、喫緊の課題であります。これまで、本市では、適応指導教室での指導に加え、訪問型の相談支援やオンラインを活用した学習支援などを行なってまいりました。令和6年度からは、不登校児童生徒の学びの機会を確保するとともに、社会的自立を支援するため、本市が認定するフリースクールを利用する児童生徒の保護者に対し、利用料の一部を補助する制度を新たに開始いたします。
 また、特別支援学級に在籍する児童生徒が増加していることから、学校に配置する介助員を増員し、児童生徒の個別の課題に対応した支援の強化と、適切な学級運営につなげてまいります。
 次に、今後も児童数の増加が見込まれる大野小学校については、児童の学習環境向上のため、特別教室などを確保するとともに、ランドセルクラブ活動においても活用ができる校舎の増築に着手いたします。
 また、児童の泳力の向上、学校プール施設の維持管理費の軽減、教職員の業務軽減を図るため、小学校水泳授業の民間委託を試行し、本格実施に向けた検証を行なってまいります。
 中学校部活動は、生徒が多様なスポーツ・文化芸術活動に継続して親しむことができる機会を確保するとともに、教員の働き方改革の観点から、休日の中学校部活動について、教員が顧問となる「学校部活動」から、地域の指導者による「地域クラブ活動」への移行に向け、取組を進めてまいります。
 また、学校と保護者間のコミュニケーションエラーを防ぐとともに、より早く、確実に情報共有を図るため、令和6年度中に学校と保護者間の「情報共有システム」の運用を開始いたします。
 さらに、子育て世代の経済的負担を軽減し、こどもたちの健康を守るために、「子ども医療費」の負担軽減に取り組んでまいります。具体的には、これまで3歳未満までの医療費を無料としていたものを、令和6年10月からは小学生までに拡大し、あわせて中学生の入院費についても、自己負担額を無料といたします。

(3)青壮年期の取組

 次に、青壮年期の取組についてであります。
 青壮年期は、結婚や出産、子育て、家族の介護など様々なライフイベントを迎える時期であることから、働きながらでも安心した生活を送ることができるよう、負担軽減につながる支援を実施してまいります。
 まず、子育て世帯への取組では、仕事と子育ての両立を支援し、安心してこどもを保育所などに預けることができるよう、家賃助成によって保育士の確保に努め、待機児童ゼロや質の高い保育環境の整備に、引き続き取り組んでまいります。
 次に、家族介護者の負担を軽減する取組では、これまでの公的サービスや地域包括支援センターによる支援に加え、住民が主体となって助け合う「生活支援体制整備事業」などを通して、高齢者を地域全体で支え合う地域づくりに向けた取組を推進してまいります。
 青壮年期は、将来を見据え、自身の健康状態を把握すべき、大切な時期であり、年代に応じた各種健診の受診がその第一歩となります。
 そのため、「がん検診」や「一般健診」、さらには「国民健康保険加入者を対象とした特定健診」など、集団健診として実施する各種健診の予約がより簡単に行なえるよう、これまでの申し込み方法に加え、電話による受付も開始いたします。
 また、糖尿病等の生活習慣病やその予備群とも言える方には、今後も引き続き個人の状況に応じた適切な保健指導を行なうなど、健康増進につながる支援を実施してまいります。

(4)高齢期の取組

 次に、高齢期の取組について申しあげます。
 まず、近年増加傾向にあります、高齢者の特殊詐欺被害を防止するため、「特殊詐欺被害防止機能付き電話機」の貸出、あるいは購入費の補助を開始いたします。
 また、高齢者の生活支援や閉じこもりを防止するため、「通院や買い物、介護予防事業を行なっている公民館等への外出を支援する移動支援事業」を開始し、外出機会の確保につなげてまいります。
 健康寿命の延伸に向けた取組では、理学療法士などのリハビリテーション専門職が、自宅や通所事業所に出向き、専門的知見を活用した効果的な運動指導などを行なってまいります。
 また、国は、高齢者に対する「肺炎球菌予防接種」について、定期接種の経過措置を本年度をもって終了し、令和6年度からは65歳の方のみを定期接種の対象とする方針を示しました。しかし、肺炎球菌感染症は、特に免疫力が低下した高齢者などが重症化しやすい感染症であります。このことから、本市では、これまでも独自事業として行なってまいりました、「定期接種では対象外となる66歳以上の方への肺炎球菌任意予防接種費用の助成」について、令和6年度も事業を継続してまいります。
 認知症のある方とその家族への支援としましては、令和6年7月に「チームオレンジ」を立ち上げ、「支援者」と「認知症のある方及びその家族のニーズ」をマッチングさせ、認知症のある方の外出同行や話し相手などを行なう「個別支援」を実施してまいります。

(5)全世代の取組

 次に、全世代に対する取組について申しあげます。
 まず、福祉サービスでは、難聴の方が円滑に意思疎通ができる、暮らしやすい社会を実現するため、身体障害者手帳をお持ちでない方で、補聴器が必要な難聴の方に対して、補聴器購入に係る費用の一部を助成する制度を創設いたします。
 次に、ゼロカーボンシティ大野城の実現に向けては、これまでの取組に加え、2つの新たな取組に着手いたします。
 1つ目は、省エネ性能が高い住宅の購入を促進することで、ゼロカーボンの推進及び生活の質の向上を目指すため、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス、いわゆるZEH(ゼッチ)基準を満たした住宅を取得した方に対して、補助金を交付する事業を創設いたします。
 2つ目は、市民の皆様の自発的な省エネ行動を促進し、市民総ぐるみでゼロカーボン達成を目指すため、脱炭素行動を実践した市民の皆様に対してポイントを付与する、「ECОチャレンジ応援事業」を新たに開始いたします。
 都市基盤の整備では、西鉄高架下空間及び側道などを整備するとともに、中心市街地の活性化を図り、にぎわいのあるまちづくりを引き続いて進めてまいります。
 また、市内事業所の多くを占める中小企業の振興を推進するため「大野城市中小企業振興条例」を制定いたします。経済の活性化や底上げを図ることで市民生活の質の向上を目指すとともに、経営基盤の強化や経営改善、新規創業の促進などに関係機関等と連携して取り組んでまいります。

 次に、防災対策の取組についてですが、これまで本市では、「市民の生命と暮らしを守ること」を市政運営の重要施策に位置付け、危機管理を専門とする「危機管理部」をいち早く創設し、市民の皆様と関係機関、行政が一体となって取り組む「市民総ぐるみ防災訓練」や「防災士の養成」など、様々な取組を行なってまいりました。
 1月1日に発生しました「令和6年能登半島地震」で報道される被害状況を目の当たりにし、市民の皆様の生命と暮らしを守るため、大野城市に関わる全ての皆様の英知を結集し、全力で取り組んでいくことを改めて決意した次第であります。
 政府の地震調査本部は、本市を横断する警固断層南東部を震源とする地震発生確率を、30年以内で最大6%と想定をし、今後30年以内の地震発生確率は我が国の主な活断層の中で、最も高いグループに属する「Sランク」となっています。
 「大地震は必ず来る」
 このことを前提として、将来に課題を先送りすることなく、今打つべき対策を確実に実施してまいります。
 まず、「だれ一人取り残さない」災害情報等の伝達を行なうため、これまでの災害情報発信手段に加え、テレビを用いた災害情報の発信を開始するなど、市民の皆様が複数の手段の中から確実に情報を入手できるよう、災害情報伝達の手段を拡充してまいります。
 また、これまでの大規模災害を参考に、避難者の想定や備蓄数量・品目を見直すとともに、新たに児童生徒の一時保護用の備蓄を行なうなど、備蓄品の拡充にも取り組んでまいります。
 災害時には、応急から復旧・復興に至るまでの間、被災者の情報管理や市内の被害状況の把握など、多岐にわたる災害対応業務が発生することから、「クラウド型被災者支援システム」を導入し、災害対応の迅速化と効率化を図る体制を構築してまいります。
 さらに、大規模災害を想定し、市民の生命、財産を守り、市民の皆様への影響を最小限にとどめるため、「大野城市業務継続計画」を見直し、大規模災害時における行政機能の継続を図ってまいります。
 これらの災害対策は、全て、災害対策の司令塔となる市役所業務が継続されていることが前提となっております。
 これまでの大規模災害では、自治体の庁舎が大きな損害を受け、外部に機能を移転せざるを得ない状況が生まれることにより、初動対応が遅れ、市民生活に甚大な影響を及ぼす事例が数多くあります。
 「市民の生命と財産を守る」
 この、市政運営の重要施策を実行するため、大規模災害時においても、災害対策の司令塔となる防災拠点の整備が急務となってまいりました。
 そのため、大規模災害時においても行政機能を確実に継続し、災害発生直後に、迅速かつ効果的に災害対策の体制を立ち上げ、市民の皆様への情報伝達や災害対応を行なう防災拠点、「(仮称)防災危機管理センター」の整備にいよいよ着手をしてまいります。
 今後も、市民の生命、財産を守り、大規模災害時においてもその被害を最小化するため、防災対策に全力で取り組んでまいります。

(6)自治体経営

 最後に、財政運営について申しあげます。
 昨年5月の新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い、経済活動が再開されたことや地価が上昇していることなどにより、市税収入は堅調に推移しております。 
 一方で、国内外の情勢等の変化による、資材価格の高騰や人件費の増加、金利上昇のリスク等が想定されています。
 そのような中にあっても、公共施設の維持管理コストを計画的に抑制しつつ、増加する社会保障費に対応しながら、将来に負担を先送りしない健全な財政運営に努めてまいります。

 以上、新年度における市政運営の基本的な考え方と施策の概要とともに、市政運営に取り組む私の所信の一端を申し述べさせていただきました。

3.結び

 冒頭に申しあげました「第6次大野城市総合計画後期基本計画」の策定にあたりましては、大野城市総合計画審議会委員の皆様や関係団体、市民ワークショップや中学生ワークショップにご参加いただいた皆様にご協力を賜り、計画を作り上げてまいりました。
 後期基本計画の策定に携わっていただきました全ての皆様に、ここに改めて心から感謝を申しあげます。
 後期基本計画には、それぞれのライフステージにおいて、「市民一人一人が輝き、誰もが夢を描くことができる大野城市であってほしい」、また「未来を背負って立つこどもたちが、夢と希望を持ち続けられる大野城市であってほしい」、そのような想いが込められています。
 1月17日、メジャーリーグで日本人初のホームラン王となった大谷翔平選手からのグローブが、大野城市の小学校にも届きました。 
 大谷グローブは、令和6年初頭から日本全体を覆っている悲壮感に、一筋の光を全国に届けるとともに、「夢を叶えた人から、次の世代に夢を与える贈り物」、そのような贈り物になったのではないかと私は思います。
 また、「第30回世界少年野球福岡大会」が本市をメイン会場として、本年7月28日から9日間の日程で開催されることになりました。
 「世界少年野球」は、世界各国・地域の少年少女たちを招いて、野球を全世界に普及、発展させるとともに、世界のこどもたちの友情と親善の輪を広げることを趣旨として、世界のホームラン王、ハンク・アーロン氏と王貞治氏の提唱で始まったものであります。
 平成2(1990)年のロサンゼルスに始まり、回を重ねてまいりましたが、世界的な新型コロナウイルス感染症の流行で長らく中止を余儀なくされていましたが、今回、5年ぶりに節目となる第30回の記念大会が本市で開催されることになりました。
 過去の大会参加者の中には、WBCに出場するなど、世界へと羽ばたいた選手が誕生しております。
 夢を抱き世界に羽ばたこうとする大会参加の少年少女を大野城市が中心となって支援をしてまいりましょう。
 本市にとっても、今年の干支である龍のように飛躍をするチャンスであり、関係者とともに一丸となって準備してまいる所存であります。ご理解とご協力をよろしくお願い申しあげます。

 最後になりますが、市民の皆様方、そして議員各位におかれましては、今後とも市政運営全般にわたり、より一層のご支援、ご鞭撻を賜りますよう、重ねてお願い申しあげ、私の新年度に臨むにあたっての施政方針とさせていただきます。

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総合政策部 経営戦略課 総合戦略担当
電話:092-580-1805
ファクス:092-573-7791
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