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所信表明(令和7年9月29日)

更新日:2025年9月29日

所信表明

 市議会9月定例会(令和7年9月29日)において、堤市長が所信表明を発表しました。

はじめに

 大野城市長に就任いたしました堤かなめでございます。
 本日、令和7年第5回大野城市議会9月定例会の開催にあたり、私の所信を明らかにする機会をいただき、議長をはじめ、議員の皆様に心からお礼を申し上げます。
 
 それでは、私の所信を述べさせていただきます。私は、市民の皆様をはじめ、各方面の方々からの温かいご支援をいただき、今後4年間の市政運営の重責を担わせていただくこととなりました。そして、この場に立てますことを大変 光栄に思うと同時に、その責任の重さに身の引き締まる思いでございます。
 私はこれまで、県議会そして国政の場において、教育や福祉、子育て支援、ジェンダー平等といった課題に、現場の声を届け、政策として実現することに力を尽くしてまいりました。その経験を糧に、これからは大野城市のまちづくりに全力で取り組んでまいります。市民の皆様、議員の皆様とも力を合わせ、暮らしに寄り添った、温かい市政を築いていきたいと考えております。
 市民の皆様の声をまっすぐに受け止め、現場に根ざした政策を一つ一つ丁寧に実行し、より良い大野城市を創造してまいります。
 そのための政策の柱として、市民の皆様にお約束をしてきました5つの重点施策について、お伝えさせていただきます。

1 のびのびと学べる学校へ

 一つ目の施策は、「のびのびと学べる学校へ」であります。
 この施策で、まず申し上げたいことは、こどもたちの健やかな成長を支える「食」の環境整備です。現在の大野城市の中学校給食は選択制給食です。選択制給食は、ランチ給食、家庭からのお弁当、学校でのパン購入を生徒・保護者の希望で選べるという点は良い制度です。しかしながら、現在の選択制給食では、保護者がお弁当を作ることへの負担や、ランチ給食の注文を忘れることによる欠食の問題が指摘されています。義務教育の期間は、行政、大人の責任として、成長期のこどもたちに十分な量と栄養バランスの取れた学校給食を全員に提供する必要があると考えています。
 そのため、大野城市の中学校給食を、選択制から全員制へ移行の検討を進めてまいります。検討にあたっては、まずは、生徒や保護者、学校、そして市議会と協議を重ね、ご理解をいただきながら、理想的な中学校給食の実現に向けて進めてまいります。

 次に、一人一人に寄り添う学びについて申し上げます。
 現在、全国で不登校児童生徒数の数が問題となっています。大野城市でも令和元年度から令和6年度にかけて、不登校児童生徒数の数は、243人から513人へと倍増しています。この問題の解消に向けては、学校が楽しい、勉強が楽しいと思える学校づくりが必要です。
 現在の日本の教育は、クラス全員が同じ内容を同じ方法で行う一斉授業スタイルが主流となっています。しかしながら、同じクラスの中でも、こどもたちはそれぞれ得意なことや興味のある分野、学習の定着度合いなどが異なります。そのこどもたち一人一人に合った学びを提供するためには、「学び合い」や「自由進度学習」による「伸ばす教育」への転換が必要です。大野城市の学校教育でも、「誰一人取り残さない」という理念のもと、協働的な学びや、こどもの興味・関心や一人一人の理解度に合わせた授業づくりに取り組んでいきます。そして、こどもたちの主体性と多様性を尊重する教育を推進し、こどもたちに学校や勉強が楽しいと思ってもらうことで、不登校の減少や学力の向上を図ってまいります。
 
 また、こどもたちの新たな学びの場として、令和8年4月に「学びの多様化学校」を開校いたします。この「学びの多様化学校」が、多様な背景を持つこどもたちが安心して通える場所となり、希望を持って未来への一歩を踏み出せるきっかけとなるような体制づくりを進めてまいります。
 
 さらに、現在、中学校には、学校には登校できるが教室に入れない生徒のために、全校に「校内サポートルーム」を設置しています。今後、この「校内サポートルーム」の全小学校への設置を進めてまいります。あわせて、児童生徒や保護者に寄り添う専門職の拡充を進めることで、こどもたちが安心して学校生活を送れるよう支援してまいります。
 
 そして、「一人一人に寄り添う学び」を展開するとともに、現在取り組んでいる中学校部活動の地域移行や小学校の水泳授業の民間委託等も進め、教職員が児童生徒とより一層向き合う時間を確保するために、教職員の負担軽減や働きやすい職場環境を整備してまいります。

2 すべての世代の暮らしを支えます

 二つ目の施策は、「すべての世代の暮らしを支える」であります。
 こどもから大人、高齢者、障がいのある方、困難を抱える方、大野城市に暮らす全ての人が安心して生活できるまちづくりを進めてまいります。
 
 まず、妊娠期から子育て期までの切れ目のない支援体制の強化について申し上げます。
 妊娠期から子育て期までの育児支援を一貫して提供することで、子育て世帯が安心して暮らせる環境を整えてまいります。特に、妊娠・出産期や乳幼児期における相談支援や健診は、母子の健康状態を早期に確認し、適切な医療や支援につなぐためにも非常に重要です。また、保護者の不安や負担を軽減し、安心して子育てができる環境の整備にもつながります。
 そのため、支援を必要とする方が確実に支援を受けられるように、妊娠・出産期や乳幼児期における相談支援や健診を強化し、切れ目のない子育て支援を実現してまいります。

 次に、高齢者や障がいのある方、生活に困窮されている方、そして困難を抱える女性やこどもたちへの支援についてです。
 高齢者に関しましては、介護が必要な状態になっても、住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援を一体的に提供する、「地域包括ケアシステム」の更なる深化と推進に取り組んでまいります。
 
 障がいのある方には、自立支援の観点から、就労の機会を広げる支援策について、更に検討・強化を図ってまいります。
 生活に困窮されている方につきましては、経済的な困難からくる心身の不調や社会的孤立を未然に防ぐため、自立相談支援や家計改善支援、就労準備支援などを継続して実施してまいります。
 あわせて、DV(ドメスティック・バイオレンス)、性暴力、虐待など、様々な困難を抱える女性への支援にも一層取り組んでまいります。
 また、児童虐待の防止と早期対応にも全力を尽くします。関係機関との連携を強化し、こどもたちの命と心を守る体制の整備と支援の充実を図ってまいります。

 次に、公共交通の強化について申し上げます。
 高齢者や子育て世帯、交通弱者にとって利便性の高い移動環境を整備するために、現在の公共交通を再編いたします。再編にあたっては、現在、市民や利用者の皆様のニーズに基づき、コミュニティバスの西鉄春日原駅や桜並木駅への乗り入れの準備を進めておりますので、引き続き、他市との相互乗り入れなど、コミュニティバスのルート変更や検討を進めてまいります。また、利用者の予約や需要に応じてAIが運行ルートやダイヤを最適化するAIデマンドバスなどのデマンド型交通の導入も検討し、「地域の足」を確保してまいります。

3 市民が主役のまちづくり

 三つ目の施策は、「市民が主役のまちづくり」であります。
 大野城市は、お互いを思いやり、円満な心で人間関係を築く「まどかな心」という共通の価値観のもと、「コミュニティによるまちづくり」を進めてまいりました。この「コミュニティによるまちづくり」は、まさに、「市民が主役のまちづくり」です。大野城市の皆様が築き上げてこられた「コミュニティによるまちづくり」を継承し、市民の皆様が主体的に関わり、支え合うまちづくりを進めてまいります。
 そのためには、市民の皆様の声をしっかりと聞き、市政に反映していくことが重要だと考えています。その手法として、タウンミーティングや市民ワークショップなど、幅広い市民の声を市政に反映することができる仕組みを構築してまいります。

4 イキイキと子育ても仕事もできる大野城へ

 四つ目の施策は、「イキイキと子育ても仕事もできる大野城へ」であります。
 子育て支援や教育環境を充実させることで、子育て世帯の流入・定住を促進させることができると考えています。子育て世帯の流入・定住を促進することにより、市の人口が増え、地域経済を活性化することにもつながります。そして、税収がアップし、全世代への支援にもつながっていく、そのような「好循環」を生み出し、若い世代が、イキイキと子育てをしながら仕事ができるまちづくりを進めてまいります。
 
 まず、ランドセルクラブの環境の改善について申し上げます。
 ランドセルクラブは、学童保育と放課後子ども教室を一体運営している事業ですが、近年、共働き家庭の増加に伴い、学童保育の利用を希望する家庭が増加しています。引き続き、学童保育を希望するすべての児童を受け入れていくためにも、支援員の拡充を図りながら、運営体制の充実に取り組んでまいります。また、活動場所についても、保育施設や学校の特別教室だけでなく、運動場や空調設備の整った体育館などを引き続き活用し、こどもたちが安全で安心して過ごせる保育環境の確保に取り組んでまいります。

 次に、保育の無償化の拡充についてであります。
 現在、国は、3歳以上の保育料を無償化しています。また、県による第3子以降の保育料の無償化も開始されます。子育て世帯の経済的な負担軽減のために、保育料の無償化の範囲を拡充できるよう検討を進めてまいります。

 次に、医療的ケアが必要なこどもたちへの支援について申し上げます。
 まず、教育の面においては、こどもや保護者の声に耳を傾け、児童生徒が最適な教育を受けることができるよう、学校現場と調整を行いながら体制整備を進めてまいります。次に、保育の面においても、こどもや保護者のニーズ、保育現場の現状と課題を整理しながら、医療的ケアが必要なこどもの受け入れ体制の整備を検討してまいります。

5 持続可能なまちづくり

 五つ目の施策は、「持続可能なまちづくり」であります。
 現在の日本は、頻発する自然災害や気候変動、人口減少・少子高齢化に伴う労働者不足、物価高騰による経済・消費活動への影響など様々な課題を抱えています。私たちは、大野城市が未来へと続くように、これらの課題と向き合い、必要な施策を打っていかなければなりません。「経済」「防災」「環境」の面から「持続可能なまちづくり」を進めてまいります。

 まず、地域企業の事業承継支援と経済活性化について申し上げます。
 人口減少・少子高齢化が進展する中、中小企業や小規模事業者の高齢化と後継者不足は、地域経済にとって深刻な課題です。事業者の皆様が安心して事業を引き継げる支援の在り方を検討し、個々のニーズに応じた最適な支援を行うことで、事業承継を円滑に進め、地域経済の活性化とまちのにぎわいを守ってまいります。

 次に、災害への備えについて申し上げます。
 大野城市には警固断層が通過しており、いつ地震が起きてもおかしくありません。災害への備えに万全を期すために、地震による火事を防ぐ感震ブレーカーの普及などを進めてまいります。また、災害対応の最前線は、国や県ではなく「市町村」です。住民の命を守るための即時対応には、地域に根ざした司令塔が不可欠です。(仮称)防災危機管理センターの建設を着実に進めることで、災害や緊急時にも迅速かつ的確に対応できる体制を整え、市民の皆様が安心して暮らせるまちづくりに努めてまいります。その一方で、限られた財源の中での整備となることから、機能性や将来の運用面にも配慮しながら、適正な建築コストの確保と効率的な整備に最大限努めてまいります。

 最後に、ゼロカーボンシティの推進について申し上げます。
 2050年までに二酸化炭素排出量実質ゼロを目指す「ゼロカーボンシティ大野城」の実現に向けて、現在の取組である再生可能エネルギーの活用や、省エネ住宅の普及促進を進めてまいります。また、国が実証実験を進めているペロブスカイト太陽電池の導入に向けた研究も進めてまいります。「ゼロカーボンシティ大野城」の実現は、市民の皆様のご理解とご協力が必要になります。「ゼロカーボンシティ大野城」の実現に向けて市民啓発を行いながら、市民の皆様と歩みを進めてまいります。

結びに

 以上の政策を通じて、市民一人一人が『希望』と『幸せ』に満ちた、大野城市の新たなステージを創造してまいります。
 
 大野城市には、地域を支える力があります。市民の皆様の知恵と経験、そして未来を担う子どもたちの可能性があります。私はその力を信じ、皆様とともに歩む市政を築いていきます。
 また、市職員が築いてきた歴史と信頼を大切に、市政を更に前進させてまいります。
 

 「市長は、職員と一緒に働くパートナーである」
 

 私が市長として最も大切にする考え方です。今は、強いリーダーシップよりも、ソフトなリーダーシップが求められる時代です。「NO!パワハラ 市役所」を目指し、「共感」と「信頼」、そして「対話」を重視した組織運営を進めてまいります。
 市民の声がまっすぐに届く市役所運営、そして職員が誇りとやりがいを持って働ける風通しの良い組織づくりを推進することで、より質の高い行政サービスにつながります。
 議員の皆様におかれましては、ご支援とご協力を心からお願い申し上げます。
 市民の皆様の声を、まちづくりの原動力に、ともに、大野城市の未来をアップデートしていきましょう。
 

 以上をもちまして、私の所信表明とさせていただきます。

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総合政策部 経営戦略課 総合戦略担当
電話:092-580-1805
ファクス:092-573-7791
場所:本館3階

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